熊本県菊池市
廣現寺(こうげんじ)より有縁の方々へ
先日、担当の澤田さんと栗原さんが「キクロスタイムズができました」と出来立てほやほやの冊子を持ってお寺まで来てくださいました★
過去の投稿で紹介させていただきました、キクロス様の取材で、「よむの5W1H」というテーマのもとで、「なにを読む」を担当させていただいたものになります。
担当の澤田さんが、「読む」を色々と考えていたら、「読経」という言葉にぶつかって、お経も読むものなんだと気づき、お寺に行って聞こうと思ってくださったのが取材のきっかけとお聞きしました。
好きなようにお話をしたことを、よくまとめて下さったなと頭が下がります。私の話だけでなく様々な方のお話も載っておりますので、よかったら手に取っていただけたら幸いです。
冊子は、キクロスに置いてあるようですが、来れない方の為にネットでも見れるそうです★
下のリンクから進み「読む」をクリック、スクロースして見られてください☆(※登録やお金はかかりません)
https://web.d-library.jp/kikuchi/g0102/libcontentsinfo/?conid=408032
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
見れない方の為に、主な内容はこんな感じでした☆↓↓
※質問をいただいた所だけを明記してます。
●そもそも「お経」とは何でしょうか?
お経とは、お釈迦様が説かれた様々なお話です。内容別に分けると律蔵(りつぞう)・経蔵(きょうぞう)・論蔵(ろんぞう)の三つに分類され、これを三蔵(さんぞう)といいます。律蔵は規則のようなもので生活を整えるもの。経蔵は、お釈迦様の教えをまとめたもの。論蔵は律蔵と経蔵の注釈や解釈を集めたものです。
もともとお経は、文字で書かれたものではなくて、お釈迦様が入滅(にゅうめつ)『俗的には死を意味するが、涅槃(ねはん)に入ること』された後、弟子たちが集まり、暗記したお釈迦様の言葉をまとめて、それを次の世代に伝えたものです。正確には口伝(くでん)といいます。文章化されたのは、それから数百年後になります。
●「お経」を読むときに気を付けていることは何でしょうか?
お経を読むことを、読経(どきょう)といいます。文字通りお経を読むわけですが、声に出して読むわけです。声に出せば他の方にも聞こえますし、また自分にも聞こえます。普段、私たちが声を出すときって自分に言うのではなく、他に向かって言うことが多いと思うのですが、この読経で大切なところは、自分が聞いていくところなのです。
声は私が発したものですが、耳に聞こえてくる言葉は、お釈迦様が私に法を説いてくださっている声として受け止めいただいていきます。ですから、お経を「あげる」とは言わず「いただく」と言います。
あげると言うと、私が他の者にしてあげているようになり、私自身はお釈迦様の言葉をいただいてないことになります。まさに自分のことを棚上げしているようなものです。お経は、お釈迦様の言葉をいただくことが大事ですから、読経する者も、聞く者も等しくいただいていく世界です。ですから読経する時には、自分が真っ先に聞き、お言葉をいただく心持でいるように気をつけています。
●今まで読んだ本のなかで1冊紹介するなら?
一冊と言われると難しいですね(笑)僧侶ですから真っ先に仏教書を紹介するべきかもしれませんが、亡き父から仏教書ばかり読まず、違うものを読みなさいと言われていました。考えるに「頭でっかちになるな」「世俗を離れて仏法はない」ことを教えようとしてくれた言葉かなと受け止めています。
父は本がとても好きで、時間があればよく読んでいました。そんな父とは対照的に、私は進んで本を読むタイプではなかったのですが、自然と興味が湧いたのが「伝記」、「エッセイ」、「自叙伝」でした。「人」が好きで、その方の歩みがどういうものかが凄く気になるからでしょうか。読んでいると時間を忘れます。
前置きが長くなりましたが、その中で繰り返し手にとる本が、まど・みちおさんの
「いわずに おれない」です。言わずと知れた童謡の「ぞうさん」で知られている詩人です。なぜこの本なのかなんて聞かないでくださいね(笑)解析しているみたいで嫌なのです。言ってしまえば、「まどさんが好き」これにつきると思います。なぜこの本なのかの理由を詳しく言わない代わりに、まどさんの詩を一つ。
「リンゴ」
リンゴを ひとつ ここに おくと リンゴの この 大きさは
このリンゴだけで いっぱいだ
リンゴが ひとつ ここに ある
ほかには なんにも ない
ああ ここで あることと ないことが まぶしいように ぴったりだ
どんなものも、私は私って主張しなくてもね、我を張らなくてもね、かけがえのないものとしてここに存在している。そのことがこの詩を通して伝わってきて涙がでましたね。「あなたはあなたで尊い」そんなメッセージをいただいたようでした。
以上。