熊本県菊池市
廣現寺(こうげんじ)より有縁の方々へ
龍でつなぐプロジェクト 天井彫刻彩色の部
「龍の天井彫刻彩色の経過報告⑤」
天井彫刻のパーツも出そろい、龍、雲、波丸、肥後六花の彩色も9割できたということで、福岡県にある、はせがわ美術工芸さんに行ってまいりました。
丁重なる「オモテナシ」をいただき、いよいよご対面。
そこには、彩色をまとい威光を放ち、静かに時を待つ双白龍の姿がありました。
抱えていた不安が一気に吹き飛ばされました。
一般的に、木に彩色を施すと色鮮やかで綺麗ですが、極彩色が強い為に色が喧嘩しあって、下品になり彫刻のままの方が良かったと思うことが正直あります。描く面が大きくなればなおさらです。
しかし、今回はその心配をはるかに凌駕し、見事に調和していました。ここまで仕上げてくださったことに深く深く感謝の思いです。
あとは、実際に天井に設置してから、龍の髭を付けたり色の濃淡の微調整をするとのこと。
いよいよ、11月頭から場所をはせがわ美術工芸の工場から廣現寺に移し、天井に取り付けます。
横11m、縦8mの外陣の天井を埋め尽くす。
龍の天井画においては、このクラスのものは全国にいくつも存在します。しかし、天井彫刻においてはその重さゆえに、サイズが小さいものが多く、まして彩色が施され、この大きさのものというと知る限りでは1つあるかないかだと思います。
ある意味、現代だからこそできたものと考えると、非常に感慨深いですよね。
そんな歴史的な瞬間を皆さんと共有し、寺宝に留まらず、菊池市の宝にもなればとも思います。
これで、天井彫刻彩色の経過報告を最後とさせていただき、次回は完成報告とさせていただきます。
完成は11月末日予定です☆